初心者でもできる海水魚飼育の始め方!
海水魚飼育を始めたいと思っている方も多いですよね?
淡水の熱帯魚水槽も綺麗で素晴らしいのですが、海水魚飼育には淡水魚飼育とは違う魅力があり、全く別の生き物の飼育を始めると考えた方が分かり易いでしょう。
そこで今回は、私の経験から飼育に必要な器具類や、初期の飼育に適している生体・適さない生体などを記載していきたいと思います。
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・海水魚飼育は難しいのか?
そう聞かれると一概には答えられませんが、淡水魚飼育よりは難しいですし手間もかかると思っていた方が良いでしょう。しかし、全ての海水魚飼育が難しい訳ではなく、初心者でも飼育できる海水魚は多くいます。色がきれいなスズメダイや、人気のあるカクレクマノミなどは、飼育が簡単な部類に入ります。
私は、海水魚飼育を10年以上やっていましたが、いろんな海水魚やサンゴにチャレンジしてきました。
◎水槽に導入して1日で生体を死なせてしまった。
◎白点病にかかり水槽が壊滅状態になった。
◎サンゴが溶けてしまった。
と、苦い経験も色々しました。
そんな色んな経験をした中で、私が一番悩んで大切に思ったのはのは、最初のシステム作りになります。
それは何故か?
1回水槽システムを作ってしまうと、変更するのが難しくなってしまうからです。少しずつ必要な器具を追加することはできますが、水槽システム全体を変更するのは、かなりの重労働ですし、飼育している生体にも悪影響を与えてしまいます。
これから海水魚飼育を始めたい方は、
◎どんな水槽にしたいのか?
◎どんな魚を飼いたいのか?
◎どんなサンゴを導入したいのか?
◎予算はどのくらいか?
などを、まず決めてからスタートして欲しいです。
淡水の熱帯魚飼育では使わない器具類も必要になります。水槽・ヒーター・フィルターなど熱帯魚飼育で使う器具はもちろん必要ですが、その他にも必要になってくるものがあります。
・飼育に必要な物!
◎比重計
これは海水の比重を測定する器具で、比重の目安は1.019~1.024になります。この数値は、サンゴより海水の比重に対し許容範囲の広い海水魚中心の飼育に適したもので、サンゴを中心とする水槽では1.021~1.023と数値の範囲が狭くなります。
比重計の金額は1500円~2000円前後のものが一般的です。
◎人工海水の素
「天然海水」を使用する人は必要ありませんが、ほとんどの人が「人工海水の素」をカルキを抜いた水に溶かして「人工海水」を作ります。
人工海水の素は、50リットル用で2000円程度です。(メーカーによって違います)
◎プロテインスキマー
100%必要ではないんですが、設置した方が水質が良い状態に保たれますので、設置する事をオススメします。種類・金額共に様々ですが、初期段階であればエアーリフト式の1万円前後のもので十分です。
※エアーリフト式のプロテインスキマーとは、エアーポンプをつないで、ウッドストーンから泡を発生させ、水槽内の汚れを濾し取るものになります。
◎水流ポンプ
水槽内の水を常に循環させるため、意外と重要な器具になります。金額は大きさによって違いますが、水槽の大きさに合ったものを選んでください。
淀んだ場所を作らないようにしないといけないので、大きな水槽の場合は、複数個用意する必要が出てきます。
◎ライブロック
ライブロックとは海の中にあった岩の事ですが、微生物が豊富に付着した「魔法の岩」と呼ばれているもので、水質維持のため重要になってきます。
水槽の大きさに応じて必要な量は変わってきますが、60㎝規格水槽で5~7kgぐらいです。金額は1kg2000円~3000円になります。金額は高めですが、後々の飼育を考えれば必需品といえるでしょう。
上記以外にも必要なものはありますが、この辺りの器具を揃えて、とりあえず2週間ぐらい生体を入れずに水回しをして、水槽内にバクテリアを繁殖させます。
・初期の生体選び!
システムを作って約2週間が経過すると、水槽の水回しも終わり遂に生体の導入になりますが、生体選びは何点かポイントがあります。
海水魚は淡水魚に比べてデリケートな面があり、飼育難易度は高くなります。同種間では縄張り争いが頻繁に起こりケンカをすることも多く、同種の魚を多数導入する場合は、かなり大きな水槽が必要になってしまいます。
そのため、同種同属の魚は1匹にし、他魚種を数匹入れて楽しむのが一般的です。(他魚種であっても、組み合わせには注意が必要になります)
・初期にオススメの海水魚!
◎カクレクマノミ
人気のある海水魚で、知っている方も多いのではないでしょうか。オレンジ色の体色に白のラインが特徴で、クネクネ泳ぐ姿が非常にかわいいです。丈夫で人口餌にも慣れるので、飼育しやすい初心者向けの種類になります。
ペア以外の同種同属間では激しい争いになりますので、水槽内には一匹と考えてください。
金額は1000円~1500円ぐらいになります。
◎スズメダイ
種類が豊富でキレイな小型魚が多く、安価で丈夫で飼育が簡単と、まさに言うことなし。と思いきや、ものすごく気性が荒く、激しい縄張り争いをします。
複数匹導入すると、ほぼ100%争いが始まり、最終的に強い1匹だけが残ります。
この種類は丈夫なこともあり、パイロットフィッシュとして導入されることも多いのですが、後の混泳を考えて性格が温和なデバスズメダイが一番オススメです。
金額は300円~500円ぐらいになります。
※パイロットフィッシュとは、水槽の立ち上げ直後に水質が安定しているかどうかを確認するため、試しに導入する生体の事です。
◎ハタタテハゼ
一見弱そうに見えますが、水槽に慣れると非常に丈夫です。しかし、臆病な面があるため、水槽内にライブロック等の隠れる場所が必要になります。また、何かに驚いた時、水槽から飛び出してしまうため、蓋は隙間なく閉めておく必要があります。
臆病で大人しい種類ですが、同種同属間では激しい争いになります。また、性格の強い生体がいると岩陰から出てこなくなってしまいますので、混泳相手には注意してください。
金額は1000円~1500円ぐらいになります。
◎スカンクシュリンプ
これは魚ではなく、エビの仲間になります。クリーナーシュリンプとしても有名で、魚の体表をクリーニングする姿が水槽内でも観察できます。
赤い体色で、体長も5cm程度になり存在感があります。水槽導入時の水合わせは慎重に行わないと、あっという間に死んでしまうので注意しましょう。
金額は2000円~2500円ぐらいになります。
以下の魚種は、私が水槽立ち上げ初期に導入した仲間達です。
・カクレクマノミ(14年ぐらい)
・ヨスジリュウキュウスズメダイ(5年ぐらい)
・ハタタテハゼ(3年ぐらい)
・スカンプシュリンプ(3年ぐらい)
※( )内は生きた年数。
海水魚は淡水魚に比べて長生きします。繁殖となるとなかなか難しいのですが、餌やりの時に近づいてきたり、成長を楽しんだり、ペットとしては最適だと感じました。
・初期には適さない海水魚!
◎チョウチョウウオ
1500円~2000円ぐらいで販売してる生体も多く、見栄えがするため導入したくなります。しかし、かなりの高確率で白点病にかかるので、導入時にはしっかりとトリートメントをしなければなりません。
トリートメント用の別水槽も準備する必要がありますし、トリートメントには薬剤も使うため手間がかかります。できれば数年飼育を経験してから導入したい魚種になります。
◎小型ヤッコ
ルリヤッコやフレームエンゼルなど、人口餌に比較的慣れる魚種の飼育は可能ですが、ポリプ食の部類は人口餌を食べないため飼育が難しいです。
どちらの食性のものを導入するにしても、丈夫な海水魚が数カ月程度飼育できてからの方が無難です。金額は2000円ぐらいから数万円・数十万円と、種類によって大きな開きがあります。
◎その他
この他に魚食性の種類や大型の魚種は、かなりの飼育経験が必要なため、初期段階での飼育を考えるのはやめておいた方が良いでしょう。
~私の水槽システム~
◎水槽(60×45×45)水量約100リットル
◎プロテインスキマー(エアーリフト式)
◎水中フィルター(90リットル用)
◎ライト(LEDランプ2灯)
◎水流ポンプ(1個)
◎ヒーター(サーモスタッドは付けてません)
◎底砂(サンゴ砂・10kg)
◎ライブロック(約10kg)
◎生体(カクレクマノミ1匹のみ)
※水替えのペースは、約1カ月に30リットルぐらいです。
スタート時は、外部式フィルターや殺菌灯も使用していましたが、普段のメンテナンスの面を考えて簡単なシステムにしたく、このシステムに変更しました。
現在は、水槽を置くスペースが無くなってしまったので一時飼育をやめています。今後、家の整理をして小型水槽で飼育を再開したいと考えています。
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まとめ
海水魚飼育は、しっかりと種類を選べば決して難しいものではありません。現在は、飼育に必要な器具類も豊富に販売されていますので、比較的簡単に目標とする水槽を作り上げる事ができます。
気を付けたいのは、生体の選び方や混泳の組み合わせになります。最初から飼育難易度の高い生体を選んでしまうと、海水魚飼育は難しいという印象になってしまいますので、その先のステップアップも考えられなくなっていきます。
目標とする水槽があったとしても、まずは初心者向けの生体からスタートして、徐々にステップアップしていただきたいです。
ワンポイントアドバイスとして、蛍光灯やLEDライトはブルー系の照明が一番オススメになります。水槽が幻想的に見えますし、見ていて飽きません。ぜひ海水魚水槽を立ち上げて、最高の癒され空間を作ってみてください。
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